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導入を検討する方へ(自治体・非技術者向け)

このページは、広聴AI を自分の組織(自治体・団体など)で使えるか これから検討する方 に向けた入り口です。コードを読まなくても判断できるよう、導入前に多くの方が気にする次の 3 点にやさしく答えます。

  1. 入力したコメントはどこへ送られるのか(データの扱い)
  2. 費用はどれくらいかかるのか
  3. 自分で用意できないとき、どこに相談すればよいのか

広聴AIとは(かんたんに)

広聴AI は、たくさんの意見(アンケートやパブリックコメントの自由記述など)を読み込み、似た意見をまとめて 公開レポート(Web ページ) として見える化するオープンソースのソフトウェアです。出力の読み方は レポートの読み方 を参照してください。


1. 入力したコメントはどこへ送られますか?(データの扱い)

ここが最も重要です。 広聴AI は、集めたコメントを分析するために、いくつかの処理で 大規模言語モデル(LLM) を使います。LLM とは、文章を理解・生成する AI のことです。

既定(標準設定)では、これらの処理は 外部の LLM 事業者(プロバイダ)の API に、コメント本文のテキストを送信して 実行されます。送信先は、設定で選んだ事業者(OpenAI / Google Gemini など)のサーバーです。

コメントが外部 API に送られる処理

分析の次の工程で、コメントや、そこから作られたテキストが LLM / 埋め込み API に送られます。

工程 何をするか 送られるもの
意見抽出 コメントから主張(意見)を取り出す コメント本文
埋め込み(ベクトル化) 意見を数値ベクトルに変換して「似ている度合い」を測れるようにする 抽出した意見文
ラベリング まとまったグループに見出し(名前)を付ける グループ内の代表的な意見
概要生成 レポート全体・各グループの要約文を作る 抽出した意見

既定の送信先

広聴AI の既定のプロバイダ設定は OpenAI です。何も変更しなければ、上記の処理で入力テキストが OpenAI の API に送信されます。レポートを作るときに、管理画面(または CLI の設定)で別のプロバイダ・モデルに変更できます。

選べるプロバイダ

レポート作成時に、次のいずれかを選べます。

プロバイダ設定 送信先 備考
OpenAI(既定) OpenAI の API 要 API キー
Google Gemini Google の API チャットと埋め込みの両方に利用可。要 API キー
Azure OpenAI 契約した Azure OpenAI リソース 自組織の Azure 契約先に送信
OpenRouter OpenRouter 経由の各モデル 要 API キー
ローカル LLM 手元のサーバー(Ollama / LM Studio など) 外部送信なし(下記参照)

手元(組織内)だけで完結させることもできます

外部にコメントを出したくない場合は、手元で動く LLM を使う構成にできます。具体的には、プロバイダを ローカル LLM(local)にし、かつ 埋め込みも手元で行う設定(is_embedded_at_local)を有効にすると、意見抽出・埋め込み・ラベリング・概要生成のすべてを、外部 API に出さずに手元のマシンで実行できます。

ローカル構成のトレードオフ

外部送信をなくせる代わりに、LLM を動かすための 計算資源(相応のメモリや、できれば GPU) が必要になり、セットアップの難易度も上がります。まずは小さなデータで試し、出力品質と処理時間を確認することをおすすめします。

個人情報・要配慮情報の取り扱い

投入前に必ず確認してください

  • 既定の構成では、入力コメントが 外部の LLM 事業者に送信 されます。氏名・連絡先などの 個人情報(PII) や、思想・病歴などの 要配慮個人情報 が含まれるデータを、そのまま外部 API に出してよいかは、庁内(組織内)の規程・個人情報保護の取り扱い に照らして事前に確認してください。
  • 分析業務を外部に委託する場合は、委託先・再委託先 が入力データをどう扱うか(どのプロバイダに送るか、保存の有無など)も確認対象です。
  • 外部に出せないデータは、上記の 手元完結(ローカル LLM)構成 を検討するか、匿名化・マスキング済みのデータだけを投入する運用を検討してください。
  • LLM の出力にはバイアスや誤りが含まれ得ます。重要な判断を出力だけに頼らず、必ず内容を検証してください。

2. 費用はどれくらいかかりますか?

費用は大きく「ソフトウェア本体」「LLM の利用料」「インフラ(動かす環境)」に分けて考えると見通しが良くなります。

本体(ソフトウェア)は無料

広聴AI 本体は AGPL-3.0 のオープンソース で、ライセンス料はかかりません。業務や研究にも使えます。ライセンス上の注意点(出力 HTML の公開や改造時の条件など)は ライセンスと結果の公開 を参照してください。

かかり得るのは「LLM の利用料」と「インフラ費」

  • LLM API の利用料(外部プロバイダを使う場合): OpenAI / Gemini などは 従量課金(使った分だけ支払う方式)です。料金はおおむね 処理したテキスト量(トークン数) に比例します。コメントが多いほど、またモデルが高性能なほど、送受信するトークンが増えて費用も増える、という関係です。
  • インフラ費: 自組織のサーバーやクラウドで動かす場合、その稼働費がかかります。手元の PC で動かし、結果の HTML だけを公開する使い方なら、インフラ費は抑えられます。

具体的な金額について

実際の料金は コメント数・選ぶモデル・プロバイダの単価 によって大きく変わり、単価は各社が随時改定します。そのため、このページでは具体的な金額は示しません。目安を知りたい場合は、「分析したいコメント件数 × 選ぶモデルの単価」 で見積もる、と考えてください。まず少量のデータで一度実行し、実際のトークン使用量から全体を概算するのが確実です。

ローカル LLM なら API 利用料はかからない

プロバイダを ローカル LLM にすると、外部 API への 従量課金は発生しません。その代わり、前述のとおり LLM を動かす 計算資源 が必要です(GPU を使うと処理を高速化できます)。

無料枠について

一部のプロバイダには無料枠がありますが、1 分あたりのリクエスト数などに厳しい制限 があるのが一般的で、件数の多いデータの一括分析には向きません。試用・小規模検証向けと考えるのが安全です。


3. 自分で建てられない場合、どこに相談すればよいですか?

分析を実行するには環境が必要です。技術的な準備が難しい場合も、いくつかの選択肢があります(各選択肢の概要は トップページの「レポートを作るには」 にもまとまっています)。

  • 自分で環境を建てる(セルフホスト): お使いの OS のセットアップガイドに従います。技術的な知識と計算環境が必要です。
  • 建ててくれる人に相談する: 組織内の情報システム担当者や、導入を支援できる技術者に、環境の用意・運用を相談する方法です。
  • ブラウザで試せる serverless 版を検討する: Docker などを用意しづらい場合、ブラウザ上で動く serverless 版 を比較候補にできます。これは 別プロジェクト で、本体と同一の機能・設定・運用を保証するものではありません。扱えるモデルやデータの取り扱いはリンク先の説明を確認してください。
  • コミュニティに質問する(非技術者も歓迎): 「自分の場合はどう始めればよいか」といった相談は、デジタル民主主義2030 の Slack「開発_広聴AI」チャンネルでできます。入口と質問の仕方は コードを書かずに参加する にまとまっています。環境構築やプログラミングの経験がなくても参加できます。

「誰かが運用するサービス(managed)」は現状ありません

任意のデータを投入して使える managed サービスは、現時点では提供されていません。将来、そうしたサービスを提供する方が現れる余地はあります。現状では、上記のセルフホスト・相談・serverless 版のいずれかが現実的な選択肢です。


まとめ

  • データ: 既定では入力コメントが外部の LLM 事業者(OpenAI など)に送信される。外部に出せないデータは、ローカル LLM 構成で手元完結にできる。PII・要配慮情報は投入前に庁内規程・委託先を確認する。
  • 費用: 本体は無料(AGPL-3.0)。かかるのは LLM の従量課金とインフラ費。ローカル LLM なら API 利用料はなし(計算資源は必要)。金額はコメント数・モデルで変わるため、少量で試して概算するのが確実。
  • 相談先: セルフホスト/建ててくれる人に相談/serverless 版/コミュニティ(Slack)。managed サービスは現状なし。

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