サイボウズ社内AI利用推進ワークショップ(2025年8月)

概要

2025年8月、サイボウズは「社内でのAI利用推進」をテーマに、AIが参加者の議論を支援する社内ワークショップを行った。ブロードリスニング本の企業での活用章では、いどばたを企業内の合意形成・論点整理に使った事例として紹介されている。

参加者は約50人で、東京オフィスの対面参加者とオンライン参加者が混在するハイブリッド形式だった。情報システム、カスタマー、営業、開発、人事など、部署や職種の異なる社員が参加した。

何が行われたか

ワークショップは、いきなりAIに入力するのではなく、まず付箋やMiroを使った書き出しと共有から始まった。これは参加者が普段の方法で考えを出し、従来型の意見整理の限界も体感するための設計だった。

その後、参加者はいどばたを使い、AIからの質問に答えながら自分の不安や考えを掘り下げた。個々のチャット内容をそのまま全体に出すのではなく、AIが約50人分の対話ログから、よく出ているテーマ、合意点、相違点、残る論点を整理して共有した。

このために、サイボウズ向けの専用環境が構築された。原稿では、いどばた開発に関わった青山柊太朗氏がワークショップ開催を業務委託として担い、サイボウズ側のエンジニアと連携したと整理されている。

何が重要だったか

第一に、この事例はブロードリスニングが選挙や行政だけでなく、企業内の組織運営にも使えることを示している。会議では声の大きい人の意見が目立ちやすいが、AIとの1対1の対話を挟むことで、言いにくい不安や未整理の違和感を集めやすくなる。

第二に、AIは結論を決めるのではなく、議論するべき論点を先に見える化している。サイボウズのテーマでは、「AIシステムに入れていい情報と入れてはいけない情報の区別が難しい」という不安や、「トップダウンで進めるべきか、ボトムアップで動くべきか」という相違点が見えた。

第三に、個人の発言を守りながら全体像を共有する運用が重要である。参加者の生のチャットを公開するのではなく、AIが共通点と相違点へ変換することで、安心して話す場と、組織として議論する場を接続している。

後続の展開

raw/minutes/idobata-project.txt の2025年10月16日メモには、「サイボウズ社内実験2」として、非エンジニア部門で80人規模のいどばた会議が行われたこと、非エンジニアが管理画面でプロンプトをカスタマイズして実行できたこと、匿名アンケートで次回も関わりたい意向が100%だったことが記録されている。

この後続メモは、8月の50人規模ワークショップと同一イベントではなく、サイボウズ社内でいどばた利用が継続・展開したことを示す材料として扱う。

注意点

このページは、raw/broad-listening-book/09_02_サイボウズ.mdraw/minutes/idobata-project.txt に基づく要約である。書籍原稿では2025年8月の実施とされているが、日付までは特定されていない。参加者約50人のワークショップと、後続の80人規模の社内実験は混同しない。

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