Cartographer
概要
Cartographer(カートグラファー)は、参加者一人ひとりの考えを AI が掘り下げて「じぶんレポート」として生成し、集団としての論点マップを作る試作ツール。「思考のマッピング」を意図して命名された。
- 入力: 質問テーマと参加者の回答
- 動作: AI が個別に深掘り質問を追加し、参加者ごとのレポートを生成
- 出力: 「じぶんレポート」(個人視点)+ 集団レポート(現状分析)
- ステータス: プロトタイプ。dd2030 内部の定例ミーティングで実証中(2025-10〜)
広聴AI との関係
広聴AI が「大量の個別意見 → 集団傾向の可視化」を目的とするのに対し、Cartographer は 「個別の発信者の考えを深掘りして言語化する」 方向を重視している。後者は ボイス効果 の議論で出てきた「100の意見を1に薄められた市民側のがっかり」問題への一つの応答とも読める(参加者は自分視点のレポートを受け取れる)。
両者は補完関係にあり、広聴AI の前処理 / 後処理として Cartographer を組み合わせるアイデアも議論されている。
経緯
2025-10-22 — チャンネル新設・初実証
2_開発_cartographer チャンネル立ち上げ。広聴AI の定例会議でテストし、その3段階レポートが生成された(Dropbox 共有された PDF)。10/16 の いどばた 定例にも投入。
初期フィードバック(出典: oss_weekly_reporter/data/2025-10-22_to_2025-10-29/raw/slack/2_開発_cartographer.json):
- 西尾の感想(Scrapbox)に「幅のあるものに対して『点推定』しようとしてしまっている」という指摘
2025-11-12 — じぶんレポートの再回答 UX 議論
セッション1で20人以上が回答完了したのを受け、運営が「深掘り質問追加ボタン」を押下 → 参加者が再アクセスすると新しい質問が出るフローを実験。Shingo OHKI 氏のフィードバック(出典: oss_weekly_reporter/data/2025-11-12_to_2025-11-19/raw/slack/2_開発_cartographer.json):
- 「現状分析レポートにある質問の中に、自分には聞かれなかった質問があるように思った」
- 「レポートの中に『これはそういうつもりで言ったんじゃないのにな』と思うものがあったので、それを正しく理解してもらえるフェーズがあって、その後にレポートができるといいな」
- 「全体的にすごくいいですね、このツール。物事が前に進みそう」
また、再回答機能の見えにくさ(「じぶんレポートが作られていたので、もう自分は答えられないものと思い込んでいた」)も判明し、UX 改善案が継続議論された。
2025-11-12 以降 — じぶんレポートを「自己紹介代わり」にする実験案
「この話題のじぶんレポートを共有すると、その人が dd2030 にどう向き合っているのかが分かって面白そう。Slack のプロフィールで見えても面白そう」というアイデアが出て、PDF を Google Drive にアップして GitHub プロフィール欄にリンク貼る試行も行われた。新規参加者へのオンボーディングツールとしての応用が示唆されている。
設計上の論点
- 点推定問題: 個人の意見には幅があるのに、AI レポートが「あなたはこう考えている」と断定的にまとめてしまう
- 訂正フェーズの欠落: レポート生成前に「ここは違う」と参加者が訂正できる中間ステップが必要
- 質問追加 → 再回答のループ: ユーザーが「もう終わった」と思った後で運営が深掘りを追加する場合、どう通知してどう再度誘導するか
- 長文コンテキストとタイムアウト: 前回レポートを参考にさせようとして Vercel タイムアウト発生
ステータス(2026年5月時点)
直近の 2_開発_cartographer チャンネルは入チャンネルメッセージのみで、開発の主活動はそちらでは行われていない様子。実証は広聴AI / いどばたの定例での活用が中心。ツールとしては依然プロトタイプ段階。